ユーグレナを含んだ商品は健康食品(サプリメント)を中心に多く販売されています。そこで、健康食品(サプリメント)の代表としてもっとも多くの人が利用していると思われる青汁の栄養成分を比較してみました。
楽天で売上No1となって、テレビCMでは八代亜紀が出演して紹介している「青汁三昧」を比較対照に取り上げてみます。
「青汁三昧」だけで累計6億杯分販売と紹介されていますので、青汁全体でみると国民1人当たり1杯以上は飲んでいる、または一度は経験していると推測されます。
ユーグレナを含んだ青汁タイプの商品も「緑汁」として販売されています。
含まれている栄養成分と含有量及び厚生労働省が公表している1日当たりの必要摂取量を表にしてみました。
全ての含有量が公表されていないので、一部データが抜けています。
また、「青汁三昧」に標記されている栄養成分は27種類と謳われていますが、ユーグレナと比較できるレベルで表示されている栄養成分名は18種類です。
ただし、青汁にはわずかですが、たんぱく質が20mg、脂質が5mg含まれていますので、タンパク質は体内でアミノ酸に分解されたり、脂質は不飽和脂肪酸を含んでいる可能性があるので、栄養成分名としてユーグレナと同じレベルで比較すると種類数は増える可能性があります。
量が少ないので、ここでは含まれていないと仮定しています。
「青汁三昧」の表から省略した栄養成分は、たんぱく質、脂質の他、炭水化物258mgです。
食物繊維はユーグレナのパラミロンの項に載せましたが、パラミロンは食物繊維の性格を持っていますが、その機能性は一般的な食物繊維より遥かに高いので含有量だけで比較するのは問題があります。
厚生労働省は、一日に必要とするタンパク質の量は公表していますが、アミノ酸や不飽和脂肪酸の個別成分は明確に示せないので公表していません。そのため、栄養成分としては含まれていますが表には掲載しておりません。
そのため、「青汁三昧」と「緑汁」との比較では、青汁三昧にはアミノ酸、不飽和脂肪酸はほとんど含まれていませんが、「緑汁」には多く含まれていると理解して比較検討する必要があります。
厚生労働省の公表する必要摂取量は栄養成分によっては、摂取推奨量であったり、目標量、目安量であったりします。また、全てが公表されずその中の一つ、あるいは二つであったりします。
ここでは全て、この3つを区別して表示しないで、必要摂取量として一つにまとめています。
一般的な食事から摂取する栄養成分もあるため、厚生労働省の数字に対して、摂取量の不足を心配しなくても良いものもあります。
例えば、ナトリウムなどの場合、一般的な食事から摂取し過ぎているので、むしろ減らす必要のある栄養成分もあります。
下記の表の厚生労働省の必要摂取量は30歳〜49歳の男性の必要摂取量となっています。
データは男女別、年齢別、授乳婦別に分かれて公表されています。
多少の違いがあるので正確に知るためには、厚生労働省のホームページで確認する必要があります。
数字を見るうえで注意すべきことは、単位を100gあたりのmgに統一しています。
各社のホームページを見ると、必ずしも100gあたりのmgの表示になっていません。
3gや10gあたりのmgであったり、μgであったりします。
もう1点の注意ですが、ユーグレナに配合された「青汁三昧」タイプの商品として「緑汁」が販売されていますが、下記の表は、この商品に含まれているユーグレナの栄養成分量ではありません。
厳密に言うと「緑汁」には大麦若葉、明日葉がプラスされていますので、これに含まれる栄養分がプラスになって、単位gあたりでは、ユーグレナそのものに含まれる栄養成分の量が減少することになります。
「緑汁」だけに限定した栄養成分名と量が明示されていないので表中のユーグレナの栄養成分名・量は純粋なユーグレナに含まれるものとなっています。
ユーグレナには、全部で59種類、青汁には全部で27種類の栄養成分が含まれていると公表されていますが、どちらかに含まれている栄養成分の含有量が測定されているもののみを比較しています。
分類 | 栄養成分名 | 含有量(単位:100gあたりのmg) | 1日必要摂取量 (単位:mg) |
|
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ユーグレナ (含有成分数59種類) |
青汁三昧 (含有成分数27種類) |
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ビタミン類 | カロテン(ビタミンA) | 7.0 | 1.7 | 0.75 |
ビタミンB1 | 18.1 | 9.0 | 1.40 | |
ビタミンB2 | 6.1 | 11.0 | 1.60 | |
ビタミンB6 | 1.4 | 13.3 | 1.40 | |
ビタミンB12 | 0.2 | 0.04 | 2.40 | |
ビタミンC | 5.0 | 1099.0 | 100.00 | |
ビタミンE | 23.8 | × | 9.00 | |
葉酸 | 1.0 | 4.9 | 0.24 | |
ビタミンD | - | × | 0.005 | |
ビタミンK | - | × | 0.075 | |
ナイアシン | - | 94.6 | 15.00 | |
パントテン酸 | - | 42.6 | 6.00 | |
ビオチン | - | × | 0.045 | |
注)カロテンはαカロテン、βカロテンを含みます。αカロテン、βカロテンは体内でビタミンAに代わります。 | ||||
ミネラル類 | リン | 1820 | × | 1050 |
亜鉛 | 75 | × | 9 | |
カルシウム | 196 | 188 | 900 | |
マグネシウム | 333 | 62 | 340 | |
ナトリウム | 540 | 100 | 600 | |
カリウム | 443 | 565 | 2000 | |
鉄 | 43 | 7 | 7.5 | |
マンガン | - | × | 4 | |
銅 | - | × | 0.4 | |
その他 | パラミロン(食物繊維) | - | 97 | 27 |
ユーグレナ緑汁:4,410円(3.5g×30包) 単価147円/包
青汁三昧 :3,000円(3g×600包) 単価 30円/包
「青汁三昧」と「緑汁」の1包あたりの単価が同じであれば、無条件に栄養バランスから言って「緑汁」が優れていますが、価格差が約5倍もあることを考えると、通常の食事で野菜のみが不足していると思われる人は「青汁三昧」を選択し、何らかの理由で肉、魚、乳製品が不足している、または意図的に控えている人は「緑汁」が優れていると言うことができます。
また、別の考え方として、環境問題に関心があり少しでもエコな生活を目指している人には「緑汁」を購入することで環境を守ることに多少なりとも貢献できることになります。
あるいは、肉や魚も乳製品も飼料に合成化学肥料などが使用されていたりしているので、少しでもより安全な食生活を送ることを心がけたいという人は既存の肉、魚、乳製品の摂取量を減らして、「緑汁」で動物系の栄養成分を摂取するという考え方ができます。